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典型的な「例と主張の不一致」

新聞記事や社説、あるいは「天声人語」などのコラムが、少なくとも「論文」の手本にはならないといういい例です。
自転車:歩道走行禁止、厳格運用…警視庁が安全対策策定へ(毎日新聞 2011年10月19日 2時37分(最終更新 10月19日 9時15分))

警視庁は、自転車の車道左側走行の原則を順守させ、これまで積極的に摘発していなかった歩道走行の取り締まりを徹底する方針を固めた。そのうえで自転車のルール順守や走行環境の整備なども盛り込み、全国の警察本部で初となる包括的な自転車安全対策の策定作業に入った。東日本大震災以降、通勤・通学に自転車を利用する人が増え、交通事故全体に占める自転車事故の割合も増加。警視庁は「マナーを守れば防げる事故は多い」と意識向上による事故減を目指す。【伊澤拓也】

◇震災後に事故急増

警視庁は自転車ブームが高まった数年前から摘発強化に乗り出している。昨年の取り締まり件数は信号無視が300件(前年比189件増)、ブレーキのない競技用自転車「ピスト」など制動装置不良が661件(同659件増)に上り、今年はさらに昨年を上回るペースだという。

一方、歩道での高速走行や一時停止違反の摘発はほとんどなく、警視庁幹部は「黙認と受け取られても仕方がない側面もあった」と話す。

今後は道路交通法の規定通り、子供や高齢者らを除き車道の左側を走るよう促し、走行可能な歩道を走る場合も安全徹底を求める方針とみられる。

東京都内で昨年起きた歩行者と自転車の事故は1039件で全国の約4割に上り、今年8月までの事故全体に占める自転車関連事故の割合は37.8%で過去最高を更新する勢いだ。

今年3月の震災以降の半年間の通勤・通学中の事故も、前年同期より5%(96件)増えている。警視庁は「このままではさらに事故が増える可能性が高い」とみている。

研究者によると、自転車事故の7割は交差点で起き、歩道走行が主要因。昨年2月には渋谷区で歩行中の女性(当時69歳)がピストにはねられて死亡する事故も起きている。

60年に制定された道交法は自転車の歩道走行を禁じたが、車道事故が増え、70年には標識のある歩道に限って走れるよう改正。歩行者との接触事故が目立つようになると78年の再改正で、走行可能な歩道での徐行や歩行者の前での一時停止を義務付けた。

警視庁幹部は「道交法の基本に立ち返って歩行者との事故を減らし、車道でのルールを守った走行を訴えたい」と、安全対策の効果に期待する。

また、警視庁は都と連携し、車道の左側を線で区切る自転車レーンのほか、路面を色分けして自転車と歩行者の通行部分を明示した歩道の整備を進める。現在は自転車レーンが13カ所9キロ、カラー舗装歩道が40カ所37キロにとどまるが、3年以内に計10カ所31キロを新設する方針を決めている。(引用ここまで)

主張(結論)は、

「警察庁が、今後、自転車の歩道走行の取り締まりを徹底すること」

です。

その根拠は、

「研究者によると、自転車事故の7割は交差点で起き、歩道走行が主要因」

でしょう。

ところが、その根拠を支える「例」が、

・昨年の取り締まり件数は信号無視が300件(前年比189件増)、

・ブレーキのない競技用自転車「ピスト」など制動装置不良が661件(同659件増)

・昨年2月には渋谷区で歩行中の女性(当時69歳)がピストにはねられて死亡する事故も起きている。

これらがメインであって、自転車が歩道を走っていることによる事故がどのくらい増えているかについての説明が全くありません。

別の言い方をすれば、歩道だろうが車道だろうが、ブレーキを取りはずした「ピスト」という自転車を現行法で普通に取り締まったときに、どのくらい歩行者と自転車の事故が減るのかについてのデータも試算も全くありません。問題の核心が「ピストの野放し」にあるのか、「どんな自転車でも、歩道を走れること」にあるのかの分析が全くなされていないわけです。

にもかかわらず、

「研究者によると、自転車事故の7割は交差点で起き、歩道走行が主要因」

などと、「研究者」という言葉さえ入れれば、自転車事故の主要因が歩道走行であると決めつけられると思っているのが、この記事を書いた記者の基本的な発想です。論文としては典型的に「×」となります。例が全く、主張や根拠を支えるようになっていないからです。

自転車と歩行者の事故を増やしている主要因は、私の考えでは

・ピストなどの改造自転車が取り締まられないこと

・自転車に乗りながらケータイをいじったり、ケータイで通話していること

・自転車に乗っているのに前を見ていないこと

・自転車に乗っているのに、交差点で左右に注意を向けていないこと

です。歩道を走っている場合も、歩行者や他の自転車に十分に注意を払えば、事故は起きません。

根拠やデータが曖昧なまま、自転車の取り締まりを徹底するという政策だけが先行すると、今度はその政策だけでは足りないから、

・自転車が事故を起こした後逃げられないように、防犯登録番号を「ナンバープレート」として自転車の後ろにつける。

・自転車も自動車と同様に、免許制にし、罰金を簡単に課せるようにする。

という動きに入り、最終的には、警察庁が自由にできるカネが増えるという意味で、「警察利権」が肥大するだけでしょう。例えば、自転車ではなく、自動車やバイクなどの駐車違反取り締まりなどは、完全に上の流れ(警察利権の肥大化)に乗っかったものになっています。

内容面に関するつっこんだ考察は、私の個人的なブログでやることにして、ここでは、

「主張と、その主張を支える例は一致させる」

という、ごく当たり前のことが、大手の新聞社でさえできていないことがある、ということを理解して、新聞や既存の印刷物を簡単に神格化しないことが重要だという結論に留めておきましょう。

こういう観点から言えば、朝日新聞の「天声人語」を書写するための専用ノートが東急ハンズなどで売られていますが、まさに「愚の骨頂」というやつです。朝日新聞が、必死に「朝日新聞信者」を作ろうとしているだけです。頭が悪すぎます。

言うまでもなく、「天声人語をマネしよう!」というキャッチフレーズで国語教育をしようとしている某予備校の方針も、アホと言うしかないということです(苦笑)。宗教にだまされないようにしましょう。

http://shirakawajuku.com/
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白河塾の塾長ブログをFC2ブログに引っ越しさせました。wordpressがアップグレードできず、書式をいろいろ変えたりすることが大変だったので。今後はTOEICなどにも役立つネタを書ければいいなあと思っています。

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